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2週間前、ぼくは仕事帰りに足が止まりました。
どこからか猫の鳴き声が聞こえてくるのです。

声に引かれて振り向くと、
今歩いてきた道を一匹の猫が横切りました。

少し間隔を置いて、四匹の子猫が整然と並んで、
一生懸命に追いかけて行きました。
まるでカルガモの親子のように…

彼らは、雑草の茂った空き地に入りました。
遠くから見てみると、母の周りで子供たちがじゃれています。

なんともかわいい!

年甲斐もなく、
「ミャァ~」と声を出して呼んでしまいました。
でも、産後のせいか、母はやせ細っています。
乳も出ないかもしれない。

「そうだ!何か食べ物を持ってきてやろう」
ぼくは走って家まで帰りました。

台所であちこちを探っていると、
奥さんに「何をしてるの」と聞かれました。

事情を話したら
奥さんに怒られてしまいました。

「餌なんかやったら、そこに居ついてしまうでしょ。
近所の家では、猫が嫌いな人もいるだろうし、
そういう無責任なかわいがり方をしちゃだめよ!」

そういえば、
ぼくの家の庭でも
猫がふんをして臭くて弱っています…

「でも、あのままじゃ死んじゃうよ~!!」
いい歳をして、子供のようなことを言っている自分に驚きました。

でも、奥さんの言うことが正しい。
責任を持って飼うことができない以上、
中途半端な温情は禁物なのです。

そして翌10時。
奥さんが「一度だけなら」と、
煮干を差し出してくれました。

「わかった、一度だけ」
と答えて、あめの中を空き地へ走ります。

そこに彼らの姿はありませんでした。
何度も辺りを見渡したのですが…

あめが強くなってきました。
どこかで雨宿りしていることを祈り、
後ろ髪を引かれつつ家に戻りました。

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